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山田太一のドラマの魅力は、主人公がいつも「本気で悩んでる」ってことだと思います。
もちろん、山田太一以外の一般の流行りのドラマでも、主人公は悩んでますが、
それは(竜彦の言葉を借りれば)「電車が空いてて良かった」だの、惚れた腫れただの、いわゆる、普通の悩みなんです。
山田太一は、
「もっと、人間として本質的なことで、悩んでくれ」
「『悩むと』ということを、怖がったり避けたしないでくれ」と、問いかけて来ているんです。
だから、世間で大流行りの「説教ドラマ」を観た後のような「解決感」や「爽快感」すら、山田太一のドラマにはないんです。
もっと、本質的な部分で、観ている方の心が(いい意味で)不安になってしまうんです。
(山田太一のドラマを、必死に向き合って観た人は)心が、もやもやするんです。
小林秀雄と言う人は、『美を求める心』の中で、
「人は、綺麗な花が咲いてても、じっくりと見ることをしない
『これは、○○と言う名の花だ』とレッテルを貼り終えると、
もう何かに安心してしまい、花を観ることすらやめてしまう」
というようなことを書いています。
山田太一は、何に対してレッテルを貼らずにドラマを書きます。
「花そのもの」を見ているだと思います。
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